法人名義にするべき?個人所有にするべき?収益不動産の相続対策を解説

はじめに
「収益マンションを法人に移した方が相続税対策になりますか?」
新宿・千代田相続相談センターでは、不動産オーナーや会社経営者の方から、このようなご相談を多くいただきます。
近年、都心部では不動産価格が大きく上昇し、収益マンションや一棟ビル、賃貸アパートなどを所有されている方の相続税負担は年々大きくなる傾向があります。
そのため、
「法人名義にした方が税金が安くなるらしい。」
「資産管理会社を作れば節税できると聞いた。」
という情報を耳にし、法人化を検討される方も増えています。
しかし、ここで注意しなければならないのは、
「法人化=必ず相続対策になる」わけではない
ということです。
ご家族構成や財産内容、法人の状況によっては、法人化が大きなメリットになるケースもあれば、かえって手続きや税負担が増えてしまうケースもあります。
今回は、収益不動産を「個人で所有する場合」と「法人で所有する場合」の違いや、それぞれのメリット・デメリット、そして本当に大切な相続対策について、わかりやすく解説いたします。
なぜ収益不動産の相続対策が重要なのか
新宿区・千代田区・文京区では、
・一棟マンション
・一棟ビル
・賃貸アパート
・テナントビル
などを所有されている方が多くいらっしゃいます。
長年経営してきた収益不動産は、
毎月の家賃収入を生み出す大切な資産です。
一方で、相続が発生すると、
- 相続税
- 遺産分割
- 管理の引き継ぎ
- 納税資金
など、多くの課題が同時に発生します。
特に都心部では土地価格が高いため、「不動産はあるが現金が少ない」というケースも少なくありません。
個人所有とは?
個人所有とは、文字どおり不動産を個人名義で所有する方法です。
例えば、
お父様個人の名義で、
- 一棟マンション
- アパート
- テナントビル
を所有しているケースです。
家賃収入は個人の所得となり、所得税・住民税の対象になります。
相続が発生すると、その不動産は相続財産となり、相続税の対象になります。
法人所有とは?
法人所有とは、
資産管理会社や不動産管理会社などの法人名義で不動産を所有する方法です。
家賃収入は法人の売上となり、法人税などの対象になります。
相続時には、不動産そのものではなく「法人の株式」が相続対象となることが多くなります。
そのため、
不動産そのものを分けるのではなく、株式をどう承継するかが重要になります。
法人化のメリット
① 所得分散ができる場合がある
法人では役員報酬や給与などを活用することで、所得を分散できる可能性があります。
ただし、これは法人の利益や役員構成などによって異なりますので、個別の検討が必要です。
② 資産承継を計画しやすい
法人化している場合、
株式を段階的に承継することが可能になるケースがあります。
例えば、
毎年一定割合ずつ株式を承継することで、将来の承継計画を立てやすくなります。
③ 管理体制を維持しやすい
法人では、
代表者が交代しても法人自体は存続します。
そのため、
収益不動産の管理を継続しやすいというメリットがあります。
法人化のデメリット
① 法人設立・維持コストがかかる
法人を設立すると、
- 設立費用
- 税務申告
- 会計処理
- 顧問税理士費用
- 法人住民税
などの維持費が発生します。
「節税になると思って法人化したら、思ったよりコストがかかった」というケースもあります。
② 株式の相続対策が必要になる
法人にすると、不動産ではなく株式が相続対象になります。
つまり、
「不動産の相続対策」が、
「自社株対策」へ変わるともいえます。
株価が高くなれば、株式評価額も高くなり、相続税が増えることもあります。
③ 法人化だけでは遺産分割問題は解決しない
「法人にすれば揉めない」と考える方もいますが、実際にはそうとは限りません。
兄は経営を続けたい。
妹は現金で受け取りたい。
このような希望の違いがあると、株式を誰が引き継ぐのかで新たな問題が生じることがあります。
法人化を検討した方がよいケース
例えば、
- 複数の収益不動産を所有している
- 家賃収入が大きい
- 将来、お子様へ事業として引き継ぎたい
- 資産管理会社を活用したい
このような場合には、法人化を検討する価値があります。
ただし、税金だけではなく、ご家族全体の状況を見ながら判断することが大切です。
個人所有のままの方がよいケース
一方で、
- 収益不動産が1棟のみ
- 家賃収入がそれほど多くない
- 管理を簡素にしたい
- 法人維持コストを抑えたい
というケースでは、個人所有のままの方が適している場合もあります。
「法人化ありき」で考えるのではなく、それぞれの状況に合わせて判断することが重要です。
本当に重要なのは「法人か個人か」ではない
相続相談の現場では、
「法人にするべきですか?」
というご質問をいただきます。
しかし、私たちはまず、
「何を目的にするのか」
を確認します。
例えば、
- 相続税を抑えたい
- ご家族が揉めないようにしたい
- お子様へ経営を引き継ぎたい
- 家賃収入を安定して残したい
目的によって最適な方法は変わります。
法人化はあくまでも一つの手段であり、目的ではありません。
プライベートコンサルタントとして考える相続対策
私たちは、
税務だけではなく、
- 法務
- 不動産
- 保険
- 資産運用
まで含めた総合的な相続対策を大切にしています。
収益不動産を所有されている方の場合、
- 相続税試算
- 二次相続シミュレーション
- 法人活用
- 自社株対策
- 納税資金対策
- 遺産分割設計
を総合的に考えることが、ご家族の将来を守ることにつながります。
「家族全体」を見据えた承継設計が重要です
不動産は、ご家族にとって大切な財産です。
しかし、
「税金だけ」
「法人だけ」
という視点では、本当の相続対策とはいえません。
ご家族それぞれの想い、
経営の継続、
資産の活用、
そして次の世代への承継。
これらを総合的に考えることが重要です。
まとめ
収益不動産を個人名義で所有するべきか、それとも法人名義にするべきか。
この問いに、一つの正解はありません。
財産の内容、ご家族構成、事業の状況、将来の承継計画によって、最適な方法は異なります。
大切なのは、
「節税できる方法を探すこと」
ではなく、
「ご家族が安心して資産を引き継げる仕組みを作ること」です。
新宿・千代田相続相談センターでは、
税務・法務・不動産・保険の専門家と連携し、
収益不動産オーナーや経営者の皆様に合わせた資産承継プランをご提案しています。
「法人化を検討している」
「個人所有のままでよいのか知りたい」
「将来、子どもへ安心して引き継ぎたい」
そのようなお悩みがございましたら、ぜひ一度ご相談ください。
相続は「発生してから考えるもの」ではなく、「元気な今だからこそ準備できるもの」です。
ご家族と大切な資産を守るために、私たちが全力でサポートいたします。
新宿区・千代田区・文京区の相続相談なら
新宿・千代田相続相談センター
相続診断士・プライベートコンサルタント 乾浩一


