相続財産が1億円を超える方へ|新宿区・千代田区で考える資産承継と生前相続対策

「相続財産が1億円を超えると、相続税はいくらかかるのでしょうか?」
「都内に不動産を複数所有していますが、子どもたちへどのように引き継げばよいでしょうか?」
「会社を経営しています。自社株と個人資産の相続をまとめて相談したいのですが、誰に相談すればよいかわかりません」
新宿区・千代田区をはじめ、東京都心部で相続相談を検討されている方の中には、このようなお悩みをお持ちの方もいらっしゃいます。
相続財産が1億円を超える場合、相続税の負担だけでなく、不動産の分け方、納税資金、事業承継、二次相続など、複数の問題を考える必要があります。
特に、都心部に不動産を所有している方や、会社を経営している方の場合、財産の評価額と実際の市場価値が異なることもあり、単純に財産を均等に分けるだけでは解決できないケースがあります。
また、相続税を減らすことだけを優先した結果、将来の資産管理やご家族の生活に負担が生じることも考えられます。
今回は、相続財産が1億円を超える方に向けて、資産承継と生前相続対策について、実際に検討しておきたいポイントを解説します。
1.相続財産が1億円を超えると何が変わるのか?
まず知っておきたいのは、相続財産が1億円を超えたからといって、すべてのご家庭で同じ相続税が発生するわけではないということです。
相続税は、財産総額だけでなく、法定相続人の人数、配偶者の有無、債務、生命保険、小規模宅地等の特例などによって変わります。
相続税の基礎控除額は、
3,000万円+600万円×法定相続人の数
です。
例えば、法定相続人が配偶者と子ども2人の合計3人の場合、基礎控除額は4,800万円となります。
ただし、基礎控除額を超えた金額に対して、単純に一定の税率を掛ければ相続税が計算できるわけではありません。
実際の相続税は、課税遺産総額を法定相続分で取得したものとして計算し、その後、実際の取得割合や各種控除などを反映します。
そのため、相続財産が同じ1億円でも、ご家族の状況によって税負担は異なります。
2.資産家の相続で特に重要な5つの課題
資産家の相続では、相続税だけではなく、次の5つを一緒に考えることが重要です。
① 相続税の負担
現在の財産をもとに、相続税がどのくらい発生する可能性があるのかを試算します。
② 納税資金の確保
相続税を支払うための現金が十分にあるか確認します。
③ 遺産分割
不動産や自社株など、分けにくい財産を誰が引き継ぐのか検討します。
④ 二次相続
配偶者が財産を引き継いだ後、次に相続が発生した場合まで考えます。
⑤ 資産管理・事業承継
賃貸不動産や会社など、相続後も継続的な管理や経営が必要な財産について、引き継ぐ体制を整えます。
これらは互いに関係しています。
例えば、相続税を減らすために配偶者へ多くの財産を残した場合、その後の二次相続で税負担が大きくなることがあります。
また、遺産分割を優先して不動産を共有にすると、将来の売却や管理で意見がまとまらなくなる可能性もあります。
そのため、個別の対策だけではなく、財産全体を見た設計が重要になります。
3.都心不動産は「相続税評価額」と「時価」が異なる
新宿区や千代田区などの都心部で不動産を所有している方に、特に知っていただきたいことがあります。
それは、不動産の相続税評価額と実際に売却できる価格が異なる場合があるということです。
例えば、ある土地の相続税評価額が7,000万円であっても、実際の市場では1億円以上で売却できる可能性があります。
反対に、土地の形状、接道条件、借地権、賃貸借契約、建物の老朽化などによって、想定していた価格で売却できないこともあります。
※金額は説明のための仮定です。
相続税の計算では、税務上の評価方法に基づいて財産を評価します。
一方、遺産分割や不動産売却では、市場価値を確認する必要がある場合があります。
この違いを理解しないまま相続対策を進めると、相続人間の公平性や納税資金の見通しに問題が生じることがあります。
4.不動産を複数所有している場合の相続対策
例えば、次のような財産を所有している方を考えてみましょう。
- 自宅不動産:1億2,000万円
- 賃貸マンション:1億5,000万円
- 預貯金:3,000万円
- 有価証券:5,000万円
合計3億5,000万円です。
※説明のための仮定であり、各財産の評価方法を統一した実際の相続税計算例ではありません。
この場合、相続税額の試算はもちろん必要です。
しかし、それ以上に重要になることがあります。
それは、誰がどの不動産を引き継ぐのかという問題です。
例えば、長男が賃貸マンションを相続し、長女が自宅を相続する場合、財産価値の差や将来の収益性をどう考えるのか。
賃貸マンションの管理を誰が行うのか。
修繕費や借入金を誰が負担するのか。
将来売却する場合に、どのような税負担が生じるのか。
こうしたことまで考える必要があります。
不動産の相続では、取得する時点の価値だけでなく、相続した後の負担や管理まで考えることが大切です。
5.相続税を減らすだけでは不十分な理由
相続税対策を考える際、多くの方が最初に気にされるのは税額です。
もちろん、相続税を適切に試算し、利用できる特例や制度を検討することは重要です。
しかし、税金を減らすことだけを目的にすると、別の問題が生じる場合があります。
例えば、相続税評価額を下げることを目的として不動産を購入したものの、その後の賃貸経営が想定どおりに進まなかった場合です。
空室や修繕費、借入金の返済などが負担になる可能性があります。
また、相続税対策として生前贈与を進めた結果、ご本人の老後資金が不足してしまうことも避けなければなりません。
大切なのは、税金を減らすことだけではありません。
財産を守り、活用し、次の世代へ無理なく引き継ぐこと。
そのためには、相続税対策と資産管理を一緒に考える必要があります。
6.経営者の場合は「自社株の相続」も重要
会社を経営している方の場合、個人の預貯金や不動産だけではなく、自社株の相続も重要になります。
特に、非上場会社の株式は、上場株式のように市場で簡単に売却できるとは限りません。
それでも、会社の業績や資産状況によっては、自社株に高い相続税評価額が付くことがあります。
例えば、会社を長男に引き継がせたいと考えている場合、長男へ株式を集中させる必要があるかもしれません。
しかし、ほかの子どもたちとの財産のバランスも考えなければなりません。
さらに、会社の経営権を安定させることと、相続税の納税資金を確保することは別の問題です。
経営者の相続では、個人財産と会社財産の関係を整理し、必要に応じて事業承継の専門家とも連携することが重要です。
7.配偶者がいる場合は「二次相続」まで考える
資産家の相続で、特に重要になるのが二次相続です。
例えば、お父様が亡くなり、お母様と子ども2人が相続人となるケースを考えてみましょう。
一次相続では、配偶者の税額軽減などを活用することで、税負担を抑えられる場合があります。
しかし、その後お母様が亡くなった場合には、子ども2人が相続人となります。
一次相続でお母様が多くの財産を取得していると、二次相続の財産が増えることがあります。
また、二次相続では法定相続人の人数が減ることによって、基礎控除額が小さくなる場合もあります。
そのため、一次相続だけの税額を見て、
「配偶者ができるだけ多く相続した方がよい」
と判断するのは慎重であるべきです。
配偶者の生活資金や住まいを確保したうえで、一次相続と二次相続を合わせて検討することが重要です。
8.生前贈与は早めに始めればよい?
生前相続対策として、毎年110万円の贈与を検討される方もいらっしゃいます。
しかし、2024年以降の贈与から、暦年課税による生前贈与を相続財産へ加算する期間が段階的に延長されています。
最終的には、相続開始前7年間の贈与が対象となる制度です。
ただし、すべての贈与が一律に加算されるわけではなく、相続や遺贈による財産の取得状況、贈与時期、適用する課税制度などによって取扱いが異なります。
また、相続時精算課税制度についても、2024年から年間110万円の基礎控除が設けられています。
そのため、単純に暦年贈与を続ける方法だけでなく、相続時精算課税との比較も必要になる場合があります。
重要なのは、贈与額だけを先に決めないことです。
まず、ご本人の老後資金や財産全体を確認し、そのうえで適切な贈与方法を検討することが大切です。
9.生命保険を活用した納税資金・遺産分割対策
資産家の相続では、生命保険が役立つ場合もあります。
例えば、不動産を長男に引き継がせたい一方で、長女にも一定の現金を残したい場合です。
生命保険の契約内容によっては、死亡保険金を受け取る人を指定し、将来必要となる資金を準備することができます。
また、被相続人が保険料を負担していた一定の死亡保険金については、相続人が取得する場合、法定相続人の数に応じた相続税の非課税限度額が設けられています。
ただし、生命保険は契約者、被保険者、保険料負担者、受取人などによって税務上の取扱いが異なります。
また、遺留分や相続人間の公平性についても、契約内容や事情に応じた検討が必要です。
そのため、生命保険も単独で考えるのではなく、相続全体の設計の中で活用することが望ましいと考えています。
10.資産管理会社を設立するべき?
不動産を複数所有している方や、会社経営者の方からは、資産管理会社についてのご相談もあります。
個人で所有している財産を法人で管理することで、収益の管理や将来の承継を整理しやすくなる場合があります。
一方で、法人を設立すれば必ず相続税が安くなるわけではありません。
法人の設立・維持費用、所得税・法人税、不動産取得時の税金、既存の借入金など、さまざまな問題を確認する必要があります。
また、法人が所有する資産そのものを相続するのではなく、法人の株式が相続財産になるケースもあります。
そのため、資産管理会社の活用は、税金だけではなく、将来の資産管理や承継体制を含めて検討することが重要です。
11.資産家の相続対策は何から始めるべきか?
相続財産が1億円を超える方に、最初におすすめしたいのは、現在の財産を整理することです。
具体的には、次のような情報を確認します。
不動産
自宅、賃貸マンション、アパート、土地、共有不動産、借地権など。
金融資産
預貯金、株式、投資信託、債券など。
保険
生命保険の契約内容、保険金受取人、保険料負担者など。
会社関係
自社株、役員貸付金、役員借入金、個人保証など。
負債
不動産ローン、事業借入金、その他の債務など。
これらを整理したうえで、相続税の概算を確認します。
その後、ご本人の生活費、配偶者の老後資金、財産の承継先、納税資金などを検討します。
最初から不動産購入や生前贈与などの方法を決める必要はありません。
まず現在地を把握し、課題の優先順位を決めることが大切です。
12.相続税だけでなく、ご家族全体を見た資産承継を
資産家の相続対策では、さまざまな専門家が関係します。
税理士は相続税の申告や税務対策を担当します。
弁護士は法律上の問題や紛争への対応を行います。
司法書士は相続登記などを担当します。
不動産会社は不動産の売却や活用を支援します。
金融機関や保険会社が関係することもあります。
それぞれの専門家には、重要な役割があります。
一方で、ご家族全体の状況を整理し、それぞれの専門家がどのように関わるべきかを考えることも必要です。
例えば、相続税だけを考えて不動産を取得した結果、将来の管理負担が大きくなってしまう。
あるいは、会社の承継だけを優先して、ほかの相続人との関係が悪化してしまう。
このようなことは、できる限り避けたいものです。
私たちが大切にしているのは、税金・不動産・事業・家族の想いを切り離さず、全体を見ながら考えることです。
13.新宿・千代田相続相談センターが目指す相続対策
新宿・千代田相続相談センターでは、相続が発生した後のお手続きだけでなく、生前の相続対策や資産承継についてもご相談いただけます。
特に、不動産を複数所有している方、会社経営者の方、相続財産が1億円を超える方などは、複数の専門家が関わる必要があるケースもあります。
私たちは、プライベートコンサルタントとして、まずご家族や財産の状況を整理し、必要な課題を明確にすることを大切にしています。
そのうえで、税理士、司法書士、弁護士、不動産会社などの専門家と連携しながら、必要な対策を検討していきます。
相続対策に、すべてのご家庭に共通する正解はありません。
相続税を抑えることが重要な場合もあれば、配偶者の生活を守ることが最優先になる場合もあります。
また、会社の経営権を次世代へ引き継ぐことや、兄弟姉妹が納得できる遺産分割を考えることが重要な場合もあります。
ご本人とご家族にとって何が大切なのか。
その答えを一緒に整理していくことが、私たちの役割だと考えています。
14.新宿区・千代田区で相続相談をお考えの方へ
相続財産が1億円を超える場合や、不動産・会社などの財産を所有している場合には、相続が発生する前から準備しておくことで、選択肢が広がることがあります。
例えば、
「相続税がどのくらいかかるのか知りたい」
「都内に複数ある不動産を整理したい」
「自社株を子どもへ引き継ぎたい」
「一次相続と二次相続をまとめて考えたい」
「生前贈与や生命保険を活用したい」
「将来、子どもたちが揉めないように準備したい」
という段階でも構いません。
新宿・千代田相続相談センターでは、ご家族と財産の状況を整理し、必要に応じて各分野の専門家と連携しながら、相続・終活に関するご相談をお受けしています。
相続税を減らすことだけが目的ではありません。
大切なのは、これまで築いてきた財産を守り、ご家族の将来へ無理なく引き継いでいくことです。
相続が発生してから考えるのではなく、元気な今だからこそ、これからの資産承継について一度整理してみませんか。
新宿・千代田相続相談センター
ホームページ:https://souzoku-soudan.life/shinjuku/
プライベートコンサルタント・相続診断士
乾 浩一
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。相続税・贈与税・事業承継税制などの適用については、個別の事情に応じて税理士等の専門家による確認が必要です。


